■お出かけ 2009
春うららの一日、瀬戸内海を望む黒滝山・白滝山に登った。
出発点となる竹原市忠海(ただのうみ)は海と山に挟まれた街である。
電車であればJR呉線で、車であれば海沿いの国道185号で行くことができる。今回は車で行き、忠海港近くの駐車場に停めた。
忠海駅に出て、ここからスタートとした。駅前通りを通り街を適当に歩いて消防署の横の路地を山のほうに向かった。この辺りは黒滝山の看板が至る所にあり一旦見つければ多分迷うことなく登れると思われる。
- 看板1 - 街角で見かける看板。迷うことはない。 |
- 看板2 - 詳しく書いてある。親切すぎ? |
看板に従って緩やかな坂を上がっていくとすぐに地蔵院に到着した。折角なので立ち寄ったが、門のところにベンチが置いてあっていきなり休憩してしまった。境内には鐘撞堂と樹齢約600年の「臥龍のソテツ」があり何本もの竹で支えていた。ソテツについて詳しくはないがこれは結構立派なのではないかなと思ったが、如何に。
地蔵院を後にして坂を上ると周りは墓地。墓地を抜けると山裾に沿った舗装道路に出た。車数台分停められる駐車スペースがあり、忠海の街をパスしたい人はここから黒滝山を目指すことができる。駐車スペースの東側から登山道が延びているが、提灯(雪洞?)が道々に吊られておりもうちょっと後の花見の頃は賑わうのだろう。
すぐに立派な休憩所があった。さくら堂という立派な銘板があった。ちょっと下にはトイレもあり、よく見るとバイオトイレだった。利用者数が自動的にカウントされるようになっていた。
- 地蔵院と黒滝山 - 地蔵院を横切るもよし、右の道を進むのもよし。 |
- 地蔵院から見る街と海 - 忠海の街を見守っているかのような地蔵院。 |
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- 地蔵院のソテツ - 樹齢600年ともともなると恐ろしいような...。 |
- 駐車スペース - 右側から回り込むように登山道が。看板もあり。 |
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- 休憩所1 - 立派な休憩所。人おらず。 |
- 休憩所2 - さくら堂の銘板と場違いなイス。 |
休憩所からちょっと行くと「乃木将軍 腰掛の石」があった。明治39年、忠海を訪れここから瀬戸内海を眺望を(多分?)楽しんだそうな。さらに行くと「幸福の鳥居」なるものが出てきた。ここをくぐり抜けることができると幸福になるらしい。ワシも挑戦した。むむ、肩が...、通らない。特に肩幅が広い訳ではないが、通らなかった。ちょっとショック。薄着のときにまた挑戦しよう。
- 乃木将軍腰掛の岩- たかが岩ではないか。 |
- 幸福の鳥居 - こんなので人の幸福が決まるのか。 |
まあ、そんなことは忘れて道を進んだ。見上げると頂上下の岩むき出しが間近に見えた。10分ほどでピーク直下の観音堂と鐘撞堂に到着した。ここは下界からよく見えるところだけあって眺めがよろしい。久し振りに鐘を撞いた。大久野島、大三島を始め瀬戸の島々が箱庭のように目の前に広がっていた。ベンチもありちょっと休憩。
- 黒滝山仰視 - 頂上は間近。 |
- 梅 - 鐘撞堂前の梅。瀬戸内をバックに。 |
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- 観音堂 - 山頂直下にあり眺めがよい。 |
- 鐘撞堂 - 一発撞いて忠海の街に轟かせてやった。 |
ちょっと戻って、通行禁止のコーン&バーをすり抜けて鎖場に行った。よい子はまねしないでね。ごつい鎖が垂れ下がっていたが鎖がなくでも十分登れるほどのところだったが、折角なので鎖を手繰って岩ごつごつ斜面を登っていった。この鎖が危ないので通行禁止か? まあ大丈夫だったが。
- 通行止め - 観音堂手前を曲がるとこうなる。 |
- 鎖場 - 鎖がなくても登れないこともないが。 |
じきに上に到着した。上は岩が何本か刺さったような感じで、その上に立つと眼下に忠海の街、瀬戸内海および島々、海を行き交う船舶が手にとるように見えた。ちょっと霞んでいたのが残念だったが文句は言えないだろう、これだけ見えれば。
が、ここは頂上ではない。もうちょっと行くと大きな岩がありそこが頂上であった。立て看板には266mと書いてあったが、地形図をみると270m。どっちが正しいのか。(まあ、地形図でしょうが。)
- にせ山頂? - 観音堂の真上。鎖場を登るとここに出る。 |
- 黒滝山山頂 - 簡単に登れる。右の看板に266mと書いてある。 |
- 山頂からの眺め - (2枚合成) にせ山頂の向こうに瀬戸内海と忠海の街が。 中央が大久野島、その向こうの大きいのが大三島。 |
そこから尾根沿いに北に下り鞍部を通り過ぎ、分岐に出た。左は駐車場、右は白滝山と書いてあったので右に進んだのだが、しばらく下っていき舗装道路に出てしまった。う〜ん、面白くない。仕方ない。舗装道路をちょっと上って行った。そうすると、さっき分岐のところで書いてあった駐車場に出てしまった。どっちの道でも同じだったのだ。
駐車場は立派なもので20台くらいは止められただろうか。白滝山の下の龍泉寺用の駐車場なのか。龍泉寺への道は広い舗装道路だが車両通行禁止になっており安心してその道を進んだ。500mくらい行くと龍泉寺に到着した。
- 龍泉寺への道 - 寺までは舗装道路。 |
- 銘板 - 立派なものが立っている |
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- 山門 - 小さいながらも、ちゃんとある。 |
- 本堂と山頂への道 - 本堂左側の道を登って行くと山頂だ。 |
本堂の横から急な道を上がると大きな岩の周りを巻き込むように道が続いていた。その岩(花崗岩)には何と磨崖仏が彫ってあった。帰りに本堂横の看板を読むと、磨崖仏は10数体あり江戸時代初期のものとのこと。ワシはこんな磨崖仏は結構好きだ。昔の人の信仰心が伺えて何となくいい感じだ。
- 磨崖仏1 - 釈迦三尊像。登山道から見上げると、ある。 |
- 磨崖仏2 - 十六善神像の一部。他の面にもまだある。 |
南からぐるっと左回りに回り込んで西側まで来るとその岩に上ることができる。その岩は上が平らで、南側にやや傾斜している。その傾斜が座るのにちょうどいい。その岩はその大きさから八畳岩というらしいが実際はだいぶ広かった。周りを見るとこの岩の北側が一番高そうだ。山頂の看板は明らかにもっと低い別のところに立っていたが、この岩を白滝山の頂上ということにしよう。ここでも看板と地形図で高さが異なる。看板342m、地形図350m、ついでに言うと山のガイドブックでは340mだ。どれがホンマじゃ!
八畳岩からは360度パノラマで実に眺めがいい。南は黒滝山の向こうに瀬戸内海を望み、生口島と大三島を結ぶ多々羅大橋も見えた。北東には三原の街が、北西には本郷の街と広島空港が見えた。
八畳岩の上で簡単な昼飯を済ませ、岩を降りちょっと西へ。龍泉寺の鐘撞き堂があり、ここでもまた鐘を撞いた。
- 白滝山山頂 - 標高が読みにくいが、342mと書いてある。 |
- 八畳岩 - 頂上の大きな岩。南向きに傾斜があり、休憩にちょうどよい。 |
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- 八畳岩から1 - 黒滝山の向こうに瀬戸内海と島々が。 |
- 八畳岩から2 - 本郷、広島空港方面がよく見える。 |
山頂で30分くらい過ごしてから山を下りた。だいたい来た道を通ったが、黒滝山の手前で右の道を進み、頂上を迂回して休憩所さくら堂に出た。地蔵院の1本西の道を下り忠海の街に帰ってきた。
忠海駅前を出たのが10時前、戻ってきたのが13時過ぎ。約3時間の手軽なコースだった。