■お出かけ 2009
GWの真っ只中、大山に登った。
近くていい山なのだが、なぜか今まで登ったことがなかった。
縁がなかったというのだろうか。それとも、その気になればいつでも行けるわ、と思っていたからなのか、ともかく下界から眺めたことは数あれど、山頂に向けて足を踏み入れたことはなかったのである。
それが今回仕事仲間も誘いもあり、そろそろ登ってもいいかな(?)ということで行ってみた次第である。
同行者はK、H、Y、Sの4人。いずれ劣らぬ健脚ぞろい。中でもK、H、Yの3人は7月の富士登山競争の練習として今回大山に来たのである。この3人はランニング登山なのである。
天気は快晴。
今日は暦上平日であり高速道路もがらがら。米子道を順調に進んだ。鳥居トンネルを過ぎると間もなく遠く大山が見えてきた。写真を撮りそびれたが大山は南斜面でもまだまだ雪が各所に残っていた。
溝口ICで降り、すぐにトイレ休憩をとった。ランニング登山組はここがスタートである。ワシら普通の登山組みはそこからまた車で進んだ。大山の西側の姿を拝みつつ山に近付いた。それにしても溝口ICからは終始上りである。桝水高原を過ぎほどなく下山キャンプ場駐車場に到着した。9時15分。GWとは言え平日なので駐車場は7分の入りと言ったところだろか。ランニング登山組スタート地点からは約10km、標高差560mである。
特に準備することもなく、9時20分登山開始。標高780m。
一番近い夏山登山道入口までは歩いて1分とかからない。ここからはとにかく、階段、階段、である。道は十分整備されており迷うことはない。ひたすら登ればよいといった感じだ。
木立の間をほぼまっすぐに登っていった。視界はあまり開けず、鳥のさえずりを楽しみながら上へ上へと進んだ。天気がいいせいで汗がじんわりと出てきた。もう少し涼しいかと思っていたのだが。
- 駐車場より - 朝日に輝く?大山。(逆光だが) |
- 登山口 - 県道沿いにあり、間違えることはない。 |
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- 登山道 - 最初はしっかりした階段が続く。 |
- みちしるべ - 山頂まで2.8km、に加えて標高差900mがある。 |
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- 案内板 - しっかり整備されており安心して登れる。 |
- 登山道おまけ - 倒れかけの木がある。いつからこの状態なのか? |
5合目あたりからようやく視界が開けてきて下界や北斜面が見えてきた。北西に弓ヶ浜が、そしてその向こうには島根半島が、さらに沖合いには隠岐の島が見えるはずだったのだが、弓ヶ浜が霞んで見えるのがせいぜいだった。
また北斜面は山頂付近から崩れて落ちてきた土砂と残雪とできれいな模様を作っていた。スケールも大きく近所では味わえないなかなかいい眺めだった。
そのうち上のほうから賑やかな声が聞こえてきた。展望のいい6合目から聞こえてくるようだ。
10時30分、6合目に到着。標高1350m。1時間10分かかった。ここはベンチもあり小さいながらも避難小屋もある休憩地でほとんどの人が休憩をとるところのようだ。東側に張り出したような感じのところなので北斜面が目の前に広がっていて結構な絶景である。
ただ、賑やかな声の持ち主がそこにはいた。中学生の団体だった、否、団体の一部だった。団体の本体はもうちょっと上の方にいるらしい。最後尾がここ6合目で休憩しているところだった。
とにかくエネルギー補給だ。5時過ぎに朝御飯を食べてから何も食べてなかったので腹が減っていた。どうせなら景色のいいところでと思っていたのでここまで我慢していたのだ。下界で買ってきたパンを食べている間に団体さんの最後尾が出発してようやく静かになった。落ち着いて景気を眺めることができるようになった。天気もいいし腹もちょっとふくらんだし昼寝をしたい気分だった。
- 6合目よりその1 - (2枚合成) 三鈷峰などが真横に見える。 残雪とのコントラストがきれい。 |
- 6合目よりその2 - 中の原スキー場や日本海方面。 |
- 避難小屋 - トイレのように見えなくもない。 |
と思っていると、何とランニング登山組のHがやって来た。プラス10km+560mを早くも追いつかれてしまったのだった。何という健脚。化け物では、と思ってしまった。こっちはやっとこさ登ってきたというのに。15分ばかり休憩して、さあ出発、と思ったところ、ランニング登山組のKとYも到着した。
6合目から上はちょっと歩きにくかった。ところどころに雪が残っていた。といっても深い訳でもなく、足型に沿って注意して行けばちょっとくらいは滑るが特に支障はなく進んだ。ランニング登山組を先に行かせ、ワシは景色を堪能しつつ写真を撮りつつマイペースで登った。
この夏山登山道はほぼ尾根沿いなので眺めがよい。北斜面から日本海側、弓ヶ浜方向、西の桝水高原の方まで見渡すことができた。もうちょっと空気が澄んでいれば良かったのだが贅沢は言えまい。
- 残雪1 - 6合目すぐ上の残雪。 |
- 残雪2 - たぶん7合目あたりの残雪。これくらいでもすぐ滑る。 |
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- 8合目よりその1 - (たぶん)8合目から北方向。 |
- 8合目その2 - 東方向。ちょっと登山道を外れるとそのまま滑り落ちる。 |
頂上に近付くと傾斜も緩やかになりダイセンキャラボクの群生地が広がっていた。キャラボクに埋もれた登山道をしばらく進むと木道に出た。ここからは山頂までずっと木道の上を行くことになる。この木道が結構長い。10分くらい歩いてようやく頂上避難小屋が見えてきた。さらに行くともっとすごいものが見えた。山頂付近を埋め尽くす中学生の青いジャージの群れだった。総勢80人くらいか。その団体の横っちょに一般登山客が座って休憩していた。ワシ以外の4人も既に腹ごしらえを始めていた。11時30分。登山開始から2時間10分だった。標高1711m。(実際の1711mはもうちょっと先だが、立ち入り禁止なので本当は1690mくらい。)
- ダイセンキャラボク1 - 前方、亡者(?)の列が。 |
- ダイセンキャラボク2 - 残雪とキャラボク。西方向。 |
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- 木道 - 延々と続く木道。 |
- 頂上 - 頂上を占領するジャージ軍団。 |
中学生は早く到着していたから早々に弁当を食べて早々に下山して後は一般人がゆっくりとできるわい、と思っていたが、さにあらず。途中ワシらが追い越していった最後尾の数人が到着するまで弁当はお預けだったようだ。最後尾がようやく到着したら記念写真をクラスごとに撮ったり校歌を歌ったりと忙しそうだった。ちなみに、彼らは島根県の木次中学校3年生で、大山への遠足だった。
- 山頂より1 - (2枚合成) 東方向。弥山、剣ヶ峰、烏ヶ山を望む。 南斜面なのでさすがに雪が少ない。 |
- 縦走禁止 - 普通の人はここまで。 |
- 頂上風景 - 頂上避難小屋と下山方向を望む。 |
ワシらは腹ごしらえを終え適当に写真を撮ってから下山を始めた。もう少しゆっくりしたかったが団体がいたら落ち着かない。ちょっとだけ未練があったがまた今度にしよう。
山頂下にはダイセンキャラボクの群落を巡るちょっと遠回りになる木道もあり、下山はそちらを通ることにした。この木道は最短コースの木道より西側にあり、そちら方向の展望も開けていた。人もあまりおらずゆっくりと歩くにはいいところだった。ただ、雪が結構残っているところがあり、気を付けて歩いても靴が結構濡れてしまったのが玉にキズだったが。
- 西側木道 - こちらは人が少ない穴場。 |
- 西方向 - 桝水高原へ落ちていく沢。吸い込まれそうになる。 |
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- 雪渓 - 木道が埋まっている。 |
- 石室 - (カーソル置くと) 大正10年に作られた避難用の室。中には祠が。 |
6合目でまたちょっと休憩をした。ランニング登山組はとおの昔に到着しており待ちくたびれた感じだった。
5合目のちょっと上くらいに分岐があった。来た道をそのまま下りるのもおもしろくないので、東側の元谷に下りることにした。この道も階段の連続なのだが、その急なこと。一気に下りる感じだった。ここを登るとなるとかなり大変なことになるようなところだったが、やっぱり何人かとすれ違った。きっとかなりの健脚に違いない。
ダブルストックで何とか元谷まで下り切った。分岐点が標高1250m、ここが1000m。250mを一気に下りた。
- 分岐 - 直進が登ってきた道、右折が元谷方面。 |
- 階段 - 元谷へはひたすら急な階段を下りる。 |
元谷から北壁を見上げた眺めは実にすばらしいものだった。青空の下、屏風のような北壁の岩と残雪、そして新緑。これは実際に見てみないと伝わらない絶景であった。網膜に焼き付けるべく、しばし眺め入っていた。
- 元谷より - (3枚合成) 元谷から北壁を望む。 風が渡り、実に気持ちいい! |
あとは谷に沿って下りたが、未練がましくしばしば振り返っては北壁を眺めていた。、しばらく行くと大神山神社奥宮に出た。ここの社殿は全国最大級の壮大な権現造りだそうだ。よくは分からないが結構立派だった。
石畳のちょっと歩きにくい参道を10分ほど行くと大山寺の下に着いたがそのまま帰ることにした。土産物屋などの並ぶ門前町の横の大山寺橋で待ち合わせたが、当然ながらランニング登山組ははるか前に到着していた。
- 大神山神社1 - 立派な本殿。元谷から来ると本殿右側面に出てくる。 |
- 大神山神社2 - 本殿前石段から山門を。左写真の180°反対側。 |
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- 大神山神社3 - 参道の途中から北壁を眺める。 |
- 大山寺参道 - 街に近い分、こちらの参道は整備されている。 |
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- 大山寺橋より - 登ったところを下から眺めるのは気持ちいい。 |
- 桝水高原 - 西側から大山を望む。 |
桝水高原でそばを食べ腹ごしらえをしてから帰路に着いた。天気が良くて何よりであった。